SonicWall(SonicOS Enhanced5.1)における1対1のNATポリシーと、それに付随するアクセスルールの設定方法をまとめました。
設定例の前提として、まず以下のアクセスオブジェクトを作成しています。
| オブジェクト名 | アドレス/アドレス範囲 | タイプ | ゾーン | 
| www | ww.x.y.z/255.255.255.255 | ホスト | DMZ | 
| www-global | www.xxx.yyy.zz/255.255.255.255 | ホスト | WAN | 
| DMZ-ANY | 0.0.0.0/0.0.0.0 | ネットワーク | DMZ | 
| INTERNET | 0.0.0.0/0.0.0.0 | ネットワーク | WAN | 
※ ホストのアドレスには実際のIPアドレスが入ります。
今回の設定方針は以下の通りです。
1.    wwwからINTERNETへの接続は、グローバルアドレスであるwww-globalを経由(変換)する。
2.    wwwからINTERNETへの接続時に許容するサービスは、https, httpのみにする。
3.    その他wwwからINTERNETへのサービスはすべて禁止する。
4.    INTERNETからwwwへの接続は、www-globalを経由(変換)する。
5.    INTERNETからwwwへの接続時に許容するサービスは、http, pingのみにする。
6.    その他INTERNETからwwwへのサービスはすべて禁止する。
上記、設定方針に基づいた設定例は以下の通りです。
・NATポリシーの作成

※ 設定環境で、WANポートをX2に、DMZポートをX4にそれぞれ割り当てています。
1. 発信トラフィック用1対1のNATポリシー作成
| 変換前の送信元 | www | 
| 変換後の送信元 | www-global | 
| 変換前の送信先 | すべて | 
| 変換後の送信先 | オリジナル | 
| 変換前サービス | すべて | 
| 変換後サービス | オリジナル | 
| 受信(着信)インターフェース | X4 (DMZ側インターフェース) | 
| 発信インターフェース | X2 (WAN側インターフェース) | 
2. 着信トラフィック用1対1のNATポリシー作成(再帰ポリシー)
上記1の「発信トラフィック用1対1のNATポリシー」作成時、「再帰ポリシーを作成する」のチェックボックスにチェックを入れると、自動で再帰ポリシーが生成されます。この自動で生成されたポリシーを、今回の設定方針に基づいて以下のように編集します。
| 変換前の送信元 | すべて | 
| 変換後の送信元 | オリジナル | 
| 変換前の送信先 | www-global | 
| 変換後の送信先 | www | 
| 変換前サービス | すべて | 
| 変換後サービス | オリジナル | 
| 受信(着信)インターフェース | X2 (WAN側インターフェース) | 
| 発信インターフェース | すべて | 
・アクセスルールの作成(DMZ -> WAN)

DMZ(www)からWAN(INTERNET)へのアクセスルールを以下のように作成します。
1. httpsサービスを許容するアクセスルールの作成
| 優先順位 | 1 | 
| 送信元 | www | 
| 送信先 | INTERNET | 
| サービス | HTTPS | 
| 動作 | 許可 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
2. httpサービスを許容するアクセスルールの作成
| 優先順位 | 2 | 
| 送信元 | www | 
| 送信先 | INTERNET | 
| サービス | HTTP | 
| 動作 | 許可 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
3. DMZからWANへすべてのサービスを禁止するルールを作成
| 優先順位 | 3 | 
| 送信元 | DMZ-ANY | 
| 送信先 | INTERNET | 
| サービス | すべて | 
| 動作 | 禁止 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
・アクセスルールの作成(WAN -> DMZ)

WAN(INTERNET)からDMZ(www)へのアクセスルールを以下のように作成します。
1. httpサービスを許容するアクセスルールの作成
| 優先順位 | 1 | 
| 送信元 | INTERNET | 
| 送信先 | www-global | 
| サービス | HTTP | 
| 動作 | 許可 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
2. Pingサービスを許容するアクセスルールの作成
| 優先順位 | 2 | 
| 送信元 | INTERNET | 
| 送信先 | www-global | 
| サービス | Ping | 
| 動作 | 許可 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
3. WANからDMZへすべてのサービスを禁止するルールを作成
| 優先順位 | 3 | 
| 送信元 | INTERNET | 
| 送信先 | DMZ-ANY | 
| サービス | すべて | 
| 動作 | 禁止 | 
| ユーザ | すべて | 
| 有効 | 有効 | 
NATポリシー、及びアクセスルールの設定例は以上になります。
